療育サポートガイド発達障害の疑い?

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子どもの発達障害の診断は、専門的な医療機関で受けることができます。しかしながら、正確な診断をするには4歳以降でないと難しいと言われます。
それは、1歳~3歳くらいの子どもは発達に個人差があるためです。行動面で気になる部分があったとしても、発達障害かどうかを見極めるのが難しい時期なのです。同じ症状でも医師によって診断名が異なる場合も多くあります。

発達障害とは

一般に、発達障害があるとコミュニケーションや対人関係に問題が生じやすいと言われます。その行動や態度は「自分勝手」とか「変わった人」「困った人」と誤解されることも少なくありません。症状は幼児期から現れ、集団生活の中で気づくケースが多く見られます。
発達障害者支援法においては、「『発達障害』とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」と定義されています。
このように発達障害は脳機能の障害によるものであり、親のしつけや育て方、環境などが原因ではありません。発達障害は外見では分かりづらいことが多く、周囲から誤解されてしまいがちですが、本人や家族が生活しやすい環境を作るためにも、発達障害についての正確な情報が社会一般に広く理解される必要があるといえます。
※「注意欠陥多動性障害」は現在、「注意欠如・多動症」または「注意欠如・多動性障害」という診断名になっています。

発達障害とは 発達障害とは
発達障害とは 発達障害とは

「グレーゾーン」の子どもたち

例えばアスペルガー症候群の“興味・関心の偏り”、注意欠如・多動性障害の“不注意”や“思いつきでの行動”といった症状は、発達障害ではない人にもありがちです。支援が必要なのか、単に個性的なだけか、が見極めにくい「グレーゾーン」の子どもたちが問題となってきています。
2012年に文部科学省が実施した「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」によると、知的な発達に遅れはないものの、学習面か行動面で何らかの困難を持つ児童や生徒は、調査対象全体の6.5%に上ることが明らかになりました。40人学級だと1クラスあたり2~3人の割合になります。これは医師の診断ではなく教員の主観に基づく調査ですが、発達障害の疑いのある(グレーゾーンの)子どもは少なからずいると分かります。
落ち着きがない子どもは家庭や学校でいつも怒られ、注意されます。周囲の人の気持ちを理解するのが難しい子どもは、誤解やいじめを受けやすく、不登校やひきこもりとなる場合も出てきます。
勉強ができる子どもはグレーゾーンと気づかれないまま社会に出て人間関係や仕事上のトラブルを抱え、うつ病などを発症してはじめて障害が発覚する場合もあります。グレーゾーンの子どもたちに懸念されるのは、こうした「こころの健康」を害する二次的被害です。

「グレーゾーン」の子どもたち 「グレーゾーン」の子どもたち
発達障害「グレーゾーン」 発達障害「グレーゾーン」

発達障害の疑いを持ったときは?

子どもの発達障害の診断は、専門的な医療機関で受けることができます。しかしながら、正確な診断をするには4歳以降でないと難しいと言われます。
それは、1歳~3歳くらいの子どもは発達に個人差があるためです。行動面で気になる部分があったとしても、発達障害かどうかを見極めるのが難しい時期なのです。同じ症状でも医師によって診断名が異なる場合も多くあります。
「それならば4歳以降に診断を受ければよい」と思われるかもしれません。しかし、もし発達障害だった場合、対応は早ければ早い方が良く、早期に対応した場合、症状が改善することが十分あると言われています。このようなことから、子どもの発達に不安があるなら早めに何らかの対応を始めることが重要といえます。

発達障害の疑いを持ったときは? 発達障害の疑いを持ったときは?
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発達障害児に見られる特徴

発達障害がある1歳~3歳の子どもによく見られる特徴を以下に挙げてみます。

指差しをしない
一般に子どもは1歳過ぎくらいから、コミュニケーションとして「指さし」をするようになります。「あれちょうだい」などの要求としての指差しです。発達障害児はこのような指さしをしない傾向があり、人の手をつかんで(物を取らせようとするなど)何かをさせようとする「クレーン現象」が見られたりします。
視線が合わない
声をかけても視線を合わせようとしない、また、歩けるようになると、うろうろしながら横目で見るなどの場合が見られます。
人見知りがない
一般に生後6か月~7か月くらいになると、人見知りや後追いがみられるようになります。しかし発達障害を持つ場合、親以外の人でも親と同じような対応をする傾向があります。そのため、人なつっこいイメージを持たれる場合もあります。
ごっこ遊びをしない
ごっこ遊びでは、他者と一緒に創造力を働かせて役割やセリフを変化させて演じていきますが、このような他人との相互的な役割(演技)を発展させていくことができません。そのためごっこ遊びをしないのです。また、並行した行動をすることが苦手で、例えば、人形に話しかけながらご飯をあげる真似をする、というような遊びをしない場合があります。
つま先歩き、つま先立ち、を頻繁にする
つま先歩きや、つま先立ちをすることで自分の足を意識するなど、身体の一部分の動きを通して自分を確認することが頻繁にみられる場合があります。
抱っこを拒否する
抱っこをすると後ろへのけぞってしまったり、触られることを嫌がったりする場合が見られます。
偏食
こだわりの一つが出ているもので、決まったものしか食べない場合が見られます。
一人で遊ぶ
他者とコミュニケーションを取ろうとせず、よく一人で遊んでいる場合が見られます。
歩くのが遅い
一般に子どもは1歳くらいから歩けるようになりますが、歩けるようになるのが遅かったり、歩けるようになってもぎこちない場合があります。
概念を理解できない
発達障害には抽象的概念の理解が難しい、という特徴があると言われますが、幼児期は概念(=用途)を理解できない場合があります。例えば、丸いボールの絵が描かれたお皿のことを、お皿におかずが乗っていても、お皿ではなくボールと認識している場合が見られます。
具体的な固有名詞から話し出す
一般に子供が言葉を覚える時は、まず全体を認識し、次にそれを細分化していきます。例えば美味しいお菓子のことは、まず、皆「おやつ」と認識します。しかし、「クッキー」「おせんべい」「チョコ」など、具体的な固有名詞から話し出す場合が見られます。

これらは、あくまで“このような行動をとることが多い”という傾向に過ぎませんので、当てはまるからといって必ず発達障害である、というわけではありません。判断材料の1つとして参考にしていただければと思います。

発達障害児に見られる特徴 発達障害児に見られる特徴
発達障害児に見られる特徴 発達障害児に見られる特徴

早期発見・早期療育の重要性

子どもの発達障害に不安があれば、早い時期から適切に対応することが大切です。発達障害があると、通常の子どもとは違うモノの見方・考え方をします。また、対応や接し方は成長段階によっても変わります。対応一つで成長に影響が出るのですから、自己判断で自己流の対応をするのではなく、疑いを持ったら医師などの専門家に相談し、子どもに合った対応・接し方をすることが重要です。発達障害は適切な接し方をすることで症状が回復する可能性も十分にあります。特に言葉や物事の理解が進む2歳代や、社会性が身に付いてくる4歳代にどういった対応をするかが重要といえます。
発達障害は脳の障害と言われており、完全に治すことはできませんが、早期から療育をすることで症状をある程度緩和させることができると言われます。お子さまの発達に心配な点があれば、躊躇することなく、一度、医療機関の発達外来で相談しましょう。

早期発見・早期療育の重要性 早期発見・早期療育の重要性
早期発見・早期療育の重要性 早期発見・早期療育の重要性
発達の遅れが気になるお子さま向け教室
ハビーの児童発達支援(対象:0歳から6歳までの未就学児)・放課後等デイサービス(対象:(小学生、中学生、高校生)は、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業です。発達障害(注意欠如・多動性障害、学習障害、自閉症スペクトラムなど)や発達が気になるお子さまに、ひとりひとりの特性や発達段階にあった指導方法、専門的な学習、コミュニケーション指導など様々な支援を行っています。
発達支援・幼児教育・療育・教育のプロとして、ご家族の立場に立ち共に考え、お子さまの成長、発達をサポートしていきます。
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